会社・法人等の印鑑届の任意化
令和元年12月4日,会社法の一部を改正する法律(令和元年法律第70号)が成立しました。
この改正の影響を受け、商業登記法第20条「印鑑の提出」に関する規定が削除されました。
これにより、今までは会社設立に伴い「印鑑(改印)届書」を法務局(登記所)に提出して、会社の代表印(実印)となるべき印鑑を届け出て、必要に応じて届出印に関する印鑑証明書の発行を受けていましたが、令和3年2月15日の本改正法の施行以降は、印鑑の法務局への届出が任意となり、印鑑を届け出なかった場合は印鑑証明書の発行を受けることもなくなります。
また、印鑑を届け出ない場合、例えば、会社の登記申請は、申請書ないし登記委任状に届出印を押印することができないことにより書面申請を行うことができず、オンラインで申請を行わなければならず、申請書や登記委任状は、PDFファイルに代表者の方が電子署名をして作成することになります。
この法改正により、登記手続のみならず、行政手続きのオンライン化は益々進んでいくことになると思います。しかしながら、業種などにもよりますが、会社間の契約、会社個人間での契約等私人間での取引におきましては、いまだ印鑑が必要とされる場面もございますので現段階におきましては、会社のご印鑑の作成のご判断は慎重に行うべきものと存じます。