減資の手続

資本金の額を減少する場合、会社の債権者等にも影響を及ぼす可能性があるため、内部的な手続である株主総会等の決議に加え、「債権者保護手続」が必要となり、そのためには少なくとも1か月以上の期間が必要となります。

なお、減資の決議と債権者保護手続の先後関係は特に決まっておりませんので、官報公告後、決議機関による減資の決議という流れであっても登記は可能です。

決議機関

①株主総会特別決議

資本金の額の減少は原則として株主総会の特別決議による必要があります。

②株主総会普通決議

定時株主総会で資本金の額の減少決議を行う場合で、かつ減資額が定時総会の日時点における欠損の額を超えない場合は普通決議によることが可能です。

③取締役の決定または取締役会決議

募集株式の発行(増資)と同時に資本金の額の減少(減資)を行う場合、減資後の資本金の額が従前の資本金の額を下回らない場合(増資額≧減資額)の場合は取締役の決定ないし取締役会決議によることが可能です。ただし、この場合であっても株主総会決議で行うことは可能です。

債権者保護手続

債権者保護手続の内容として、原則、減資を行う旨の「官報公告」及び「知れたる債権者への通知」を効力発生日の1か月以上前に行う必要があります。これは当該期間内に会社の債権者に対して減資に関する異議を申し出る機会を付与するためです。

また、公告や通知の内容として、最終の貸借対照表の開示状況(決算公告)の掲載状況を示す必要があるため、もし最終の事業年度に関する決算公告を行っていない場合には事前もしくは同時に決算公告も行う必要があります。

なお、「官報公告」は、申込をしてから掲載に至るまでの期間として、減資公告のみの場合は1週間程度、決算公告も同時に行う場合は2週間程度かかります。さらに、期間に関する日数計算を行うにあたっては、掲載日は1日に含まず、期間の満了日が日曜や祝日にあたる場合には、満了日が翌日以降に延びることになりますので最も重要な注意事項となります。

また、「知れたる債権者への通知」は取引先が多い会社であればあるほど債権者の数も膨大化してしまいます。そのため「官報公告」とは別に、定款に定めた公告方法による公告を行うことでこの通知に代えることが可能です。

ただし、定款の公告方法が官報である場合はこの代替措置を利用することはできず、この場合に通知を省略するためには、別途公告方法を「日刊新聞紙」または「電子公告」とする定款変更が必要になりますので、更に前もって期間が必要となります。

減資のご相談時期

上記の通り、減資を行うにあたっては、債権者保護手続や場合により定款変更が必要となる場合もあるため、ご検討されている場合は、効力発生日の2か月以上前にご相談をいただき、余裕をもったスケジュール設定を行う必要がございます。

減資の登記費用

〇 8万8千円~(登録免許税3万円含みます)

報酬(消費税込) 55,000円
登録免許税(別表1 24(1).ツ) 3万円
その他 実費

※別途、債権者保護手続のための公告費用等がかかります。

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